認知症GHで算定できる加算の全体像
認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)で算定できる加算は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(告示第126号)の「認知症対応型共同生活介護費」の節に、順番どおり列挙されている。自施設のチェック表を作るときは、解説記事ではなくこの告示を写すのが確実である。
現行の一覧は次のとおり。
| 加算名 | 単位数 | 単位 |
|---|---|---|
| 初期加算 | 30単位 | 1日につき |
| 協力医療機関連携加算 イ/ロ | 100単位/40単位 | 1月につき |
| 医療連携体制加算 (Ⅰ)イ/ロ/ハ | 57単位/47単位/37単位 | 1日につき |
| 医療連携体制加算 (Ⅱ) | 5単位 | 1日につき |
| 夜間支援体制加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 50単位/25単位 | 1日につき |
| 看取り介護加算 | 72/144/680/1,280単位 | 1日につき |
| 退居時情報提供加算 | 250単位 | 1回につき |
| 退居時相談援助加算 | 400単位 | 1回につき |
| 認知症専門ケア加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 3単位/4単位 | 1日につき |
| 認知症チームケア推進加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 150単位/120単位 | 1月につき |
| 生活機能向上連携加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 100単位/200単位 | 1月につき |
| 栄養管理体制加算 | 30単位 | 1月につき |
| 口腔衛生管理体制加算 | 30単位 | 1月につき |
| 口腔・栄養スクリーニング加算 | 20単位 | 1回につき |
| 科学的介護推進体制加算 | 40単位 | 1月につき |
| 高齢者施設等感染対策向上加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 10単位/5単位 | 1月につき |
| 新興感染症等施設療養費 | 240単位 | 1日につき |
| 生産性向上推進体制加算 (Ⅰ)/(Ⅱ) | 100単位/10単位 | 1月につき |
| サービス提供体制強化加算 (Ⅰ)/(Ⅱ)/(Ⅲ) | 22単位/18単位/6単位 | 1日につき |
| 介護職員等処遇改善加算 | 加算率 | 1月につき |
看取り介護加算は、死亡日以前31日以上45日以下が72単位、4日以上30日以下が144単位、死亡日の前日および前々日が680単位、死亡日が1,280単位である。
間違えやすい加算名
名称が似ているだけの別サービスの加算を、認知症GHの一覧に混ぜてしまう誤りが多い。次の整理を押さえておく。
- 栄養管理体制加算(30単位/月)は、管理栄養士が従業者に対する栄養ケアに係る技術的助言および指導を月1回以上行っている場合に算定する。管理栄養士の配置要件ではない
- 口腔衛生管理体制加算(30単位/月)は、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言および指導を月1回以上行っている場合に算定する。歯科衛生士の配置要件ではない
- 施設系サービスの栄養マネジメント強化加算・口腔衛生管理加算は、認知症GHの加算ではない
- 感染対策に関する加算の正式名称は高齢者施設等感染対策向上加算である
2024年(令和6年度)改定で変わったこと
医療連携体制加算は令和6年4月に再編された。看護体制の要件と、医療的ケアが必要な者の受入要件を分けて評価する形になり、区分と単位数が入れ替わっている。
| 時期 | 区分と単位数(1日につき) |
|---|---|
| 令和6年3月まで | (Ⅰ)39単位・(Ⅱ)49単位・(Ⅲ)59単位 |
| 令和6年4月から | (Ⅰ)イ57単位・(Ⅰ)ロ47単位・(Ⅰ)ハ37単位・(Ⅱ)5単位 |
旧区分は現存しない。39単位・49単位・59単位という数字を載せた資料をそのまま使うと、届出も請求も誤る。あわせて認知症チームケア推進加算と生産性向上推進体制加算が設けられている。
なお、令和8年度(2026年度)介護報酬改定は令和8年6月施行の期中改定で、内容は介護職員等処遇改善加算の拡充と基準費用額(食費)の引上げに限られる。認知症GHの加算の廃止・新設は行われていない。
2つの減算
加算だけでなく、要件を満たさない場合の減算も告示に定められている。
- 業務継続計画未策定減算 所定単位数の3%を減算
- 高齢者虐待防止措置未実施減算 所定単位数の1%を減算
基本報酬が1日あたり800単位台であることを踏まえると、3%の減算は1日24単位前後に相当する。加算を1つ積み増すより、減算を回避するほうが収支への影響が大きい場合がある。
加算収入の計算手順
単位数を金額に直す手順は決まっている。定員18名が全員算定する前提で、1単位10円として計算する(単価は地域区分により異なるので自施設の値に置き換える)。
1日単位の加算の場合
- 医療連携体制加算(Ⅰ)イ 57単位 × 10円 × 18名 × 30日 = 307,800円/月
- 認知症専門ケア加算(Ⅱ) 4単位 × 10円 × 18名 × 30日 = 21,600円/月
- サービス提供体制強化加算(Ⅰ) 22単位 × 10円 × 18名 × 30日 = 118,800円/月
1月単位の加算の場合
- 科学的介護推進体制加算 40単位 × 10円 × 18名 = 7,200円/月
- 栄養管理体制加算 30単位 × 10円 × 18名 = 5,400円/月
- 口腔衛生管理体制加算 30単位 × 10円 × 18名 = 5,400円/月
1月単位の加算は1人あたり月400円前後にしかならない。月単位の加算を並べて「まとめて取れば大きい」と考えるより、1日単位の加算を1つ確実に取るほうが収支への効き方は大きい。
まとめ
認知症GHの加算は告示第126号にそのまま列挙されている。押さえるべきは、医療連携体制加算が令和6年4月に再編されて旧区分が現存しないこと、施設系サービスと名称が似た加算を混ぜないこと、そして月単位の加算と日単位の加算では収支へのインパクトが一桁違うことである。単位数を資料から引き写すときは、必ず現行の告示にあたること。
出典
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年3月14日厚生労働省告示第126号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82aa7862&dataType=0&pageNo=2
- 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年3月23日厚生労働省告示第96号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4585
- 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省老健局) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230329.pdf
- 令和8年度介護報酬改定について(厚生労働省老健局) https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675936.pdf
