この記事でわかること

  • 認知症GH開設の全体スケジュールと各段階のタスク
  • 市場調査と事業計画策定のポイント
  • 建築基準と設備要件
  • 指定申請の手続きと必要書類

開設までの全体スケジュール

認知症GHの開設は、企画段階から実際の開設まで約1年半~2年を要する。主な工程は以下の通りである。

企画・市場調査(3~6ヶ月)。事業計画策定・資金調達(2~3ヶ月)。物件確保・建築設計(6~12ヶ月)。人材確保・研修(3~6ヶ月)。指定申請・開設準備(2~3ヶ月)。

各工程は並行して進められる部分もあるが、行政との事前協議は早い段階から開始することが望ましい。

市場調査のポイント

開設予定地域の需要を正確に把握することが、事業成功の大前提である。

介護保険事業計画における認知症GHの整備計画を確認する。自治体が定める整備枠を超える申請は認可されない場合がある。

地域の高齢者人口、認知症有病率の推計、既存のGHの数と稼働状況を調査する。競合施設の状況と差別化のポイントを分析する。

建築基準と設備要件

認知症GHの建物は、消防法、建築基準法に加え、認知症対応型共同生活介護の設備基準を満たす必要がある。

1ユニットの定員は5人以上9人以下。居室は個室(1人あたり7.43平方メートル以上)。共用の居間、食堂、台所、浴室、トイレを各ユニットに設置。消防設備(スプリンクラー等)の設置。

設計段階から消防署、建築指導課、介護保険担当課と事前協議を行い、手戻りを防ぐことが重要である。

人材確保

管理者、計画作成担当者(ケアマネジャー)、介護職員の確保が開設の必須要件である。管理者は認知症GHの管理者研修を修了している必要がある。

開設の半年前から採用活動を開始し、開設の2ヶ月前までには必要人員を確保する。採用したスタッフには開設前に研修を実施し、理念の共有とケア技術の統一を図る。

指定申請

開設予定日の約2~3ヶ月前に、所在地の市区町村に指定申請を行う。主な提出書類は、指定申請書、事業計画書、建物の平面図、人員配置計画、運営規程、重要事項説明書、利用契約書の案等である。

書類審査と現地確認を経て、指定が行われる。指定を受けた後、利用者の受け入れを開始できる。

開設後の安定運営に向けて

開設直後は稼働率が低く、赤字期間が続くことが一般的である。満床になるまでの期間(通常3~6ヶ月)を見込んだ運転資金を確保しておく。

地域の居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、医療機関との関係構築を開設前から開始し、利用者の紹介を受けられるネットワークを築く。

医療連携体制の構築も開設時から取り組むべき課題である。Anchorの精神科オンライン診療やオンコール代行サービスは、開設間もない施設でも導入しやすく、医療連携体制加算の早期算定にもつながる。

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