この記事でわかること

  • 医療連携体制加算I・II・IIIの算定要件の違い
  • 看護職員の配置方法と勤務体制の組み立て方
  • 協力医療機関との連携体制の構築手順
  • オンライン診療を活用した医療連携体制の充実方法

医療連携体制加算の位置づけ

認知症グループホームは、介護保険上「居宅系サービス」に位置づけられており、特別養護老人ホームのような医療体制の配置義務がない。そのため、利用者の医療ニーズへの対応は大きな課題となっている。

医療連携体制加算は、GHが医療機関や看護職員と連携して利用者の健康管理や緊急時対応の体制を整備した場合に算定できる加算である。利用者の安全確保と施設の収益改善の両面から、取得を検討すべき重要な加算である。

加算Iの算定要件

医療連携体制加算I(39単位/日)の主な要件は以下の通りである。

事業所の職員として、または病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携により、看護師または准看護師を1名以上確保すること。看護職員は常勤である必要はないが、利用者の健康管理を適切に行える体制であることが求められる。

看護職員が24時間連絡できる体制を確保すること。夜間や休日であっても、看護職員に連絡が取れ、必要に応じて助言や指示を受けられる体制が必要である。

重度化した場合の対応に係る指針を定め、入居の際に利用者またはその家族に対して説明を行い、同意を得ること。

加算IIの算定要件

医療連携体制加算II(49単位/日)は、加算Iの要件に加えて以下が求められる。

看護職員を常勤換算で1名以上配置すること。加算Iでは非常勤での連携でも可能だったが、加算IIでは実質的に常勤の看護職員の配置が必要となる。

喀痰吸引等の医療的ケアを必要とする利用者に対して、看護職員が適切に対応できる体制を有すること。

加算IIIの算定要件

医療連携体制加算III(59単位/日)は、看取り期における対応体制を評価するものである。

加算Iまたは加算IIの要件を満たした上で、看取りに関する指針を定めていること。利用者等に対する看取りに関する説明と同意が得られていること。医師、看護職員、介護職員等が共同して、利用者の状態に応じた看取りの対応を行っていること。

看護職員の確保方法

直接雇用

看護職員を施設の職員として直接雇用する方法。常勤・非常勤いずれも可能で、勤務日数や時間を施設のニーズに合わせて設定できる。

ただし、認知症GHの規模では看護職員を常勤で雇用するコストが加算収入を上回るケースもある。複数事業所を運営している法人であれば、看護職員を兼務させることでコストを分散させる方法がある。

訪問看護ステーションとの連携

訪問看護ステーションと契約を結び、定期的な訪問と24時間の連絡体制を確保する方法。看護職員の直接雇用が難しい施設では、この方法が現実的な選択肢となる。

契約内容には、定期訪問の頻度、緊急時の対応方法、夜間の連絡体制について明確に取り決めておく。

協力医療機関の看護師との連携

協力医療機関に所属する看護師が、GHの利用者の健康管理を支援する形態もある。この場合、看護師の勤務形態や業務範囲を書面で明確にしておく必要がある。

24時間連絡体制の構築

24時間連絡体制は、夜間や休日に利用者の体調変化があった際に、介護職員が看護職員に電話等で相談でき、看護職員から適切な助言を受けられる体制を指す。

オンコール用の携帯電話を看護職員が持ち回りで所持する方法が一般的である。連絡を受けた看護職員が状況を判断し、経過観察で良いのか、医師への連絡が必要なのか、救急搬送すべきなのかを指示する。

オンコール記録簿を整備し、連絡日時、連絡者、報告内容、看護職員の指示内容、その後の経過を記録しておく。この記録は実地指導の際に確認される。

協力医療機関との連携体制

選定のポイント

認知症GHの協力医療機関を選定する際は、以下の点を考慮する。

施設からの距離(緊急時の搬送時間)、24時間の受け入れ体制の有無、認知症の方の受け入れに対する理解、入院中の情報提供の体制。

可能であれば、一般的な身体疾患に対応する協力医療機関に加えて、精神科の協力医療機関も確保しておくことが望ましい。BPSD悪化時の対応先が明確になっていると、夜間の緊急時にも迅速な対応が可能になる。

協力医療機関との協定書

協力関係は口頭の約束ではなく、書面で協定を締結する。協定書には、利用者の急変時の対応手順、情報提供の方法、定期的な連携会議の開催などを盛り込む。

オンライン診療の活用

2024年の報酬改定以降、認知症GHにおけるオンライン診療の活用が進んでいる。特に精神科領域では、D to P with N(医師対患者、看護職員同席)の形式で、施設にいながら精神科専門医の診察を受けられる体制が整ってきた。

オンライン診療を活用することで、以下のメリットがある。

利用者の通院負担が軽減される。特に精神科への通院は、BPSD症状がある利用者にとって大きな負担となる。定期的なオンライン診察により、症状の変化を早期に把握できる。看護職員が同席することで、日常のケア情報を医師に正確に伝えられる。

Anchorでは認知症GH向けに精神科オンライン診療サービスを提供しており、医療連携体制の強化に直結する。加算の算定と合わせて、実質的な医療連携体制の充実を図ることができる。

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