この記事でわかること

  • 夜間の転倒発見時の初期対応手順
  • 体調急変時のバイタルサイン評価と119番通報の判断基準
  • 夜間のBPSD悪化への具体的な対応方法
  • オンコール連絡時に伝えるべき情報の整理方法

夜間緊急対応の基本原則

夜間の緊急事態に際して、夜勤者が意識すべき基本原則は3つある。

第一に、利用者の安全確保を最優先とする。第二に、判断に迷ったらオンコール(看護師・医師)に連絡する。「連絡しすぎ」を心配する必要はない。第三に、対応の経過を時系列で記録する。

転倒発見時の対応

発見直後

利用者の意識レベルを確認する。名前を呼びかけ、反応があるかを見る。意識がない場合は直ちに119番通報する。

頭部打撲の有無を確認する。頭を打った可能性がある場合は、動かさずにオンコールに連絡する。

出血がある場合は、清潔なタオル等で圧迫止血する。

状態確認

意識がある場合は、痛みの場所と程度を確認する。四肢の動きに左右差がないか観察する。骨折が疑われる場合(変形、強い腫れ、動かせないなど)は、動かさずに医師の指示を仰ぐ。

バイタルサインを測定する。転倒の原因が低血圧や不整脈の可能性もある。

連絡と記録

オンコールに連絡し、状況を報告する。報告内容は、発見時刻、発見場所、転倒の状況(目撃の有無)、頭部打撲の有無、バイタルサイン、意識レベル、痛みの有無と場所。

オンコールの指示に従い対応する。経過を時系列で記録する。

体調急変時の対応

バイタルサインの異常値

以下の場合は緊急性が高い。体温38.5度以上、脈拍120以上または50以下、血圧収縮期200以上または80以下、酸素飽和度90%以下、呼吸数30以上または8以下。

これらの値を示した場合は、速やかにオンコールに連絡する。酸素飽和度90%以下や意識障害を伴う場合は119番通報も視野に入れる。

119番通報の判断基準

意識がない、呼吸が停止している、大量出血がある、激しい胸痛や頭痛を訴えている、けいれんが持続しているなどの場合は、オンコールへの連絡を待たずに119番通報する。

「迷ったら通報する」がルールである。救急隊に来てもらった結果、搬送に至らなかったとしても、それは適切な判断である。

夜間のBPSD悪化への対応

興奮・暴力

まず自身と他の利用者の安全を確保する。興奮している利用者から物理的な距離をとり、危険物を遠ざける。

穏やかな声で名前を呼び、安心できる言葉をかける。急な動作や大きな声は避ける。

環境を変える(場所を移動する、照明を調整する、音楽を流すなど)ことで落ち着くケースがある。

15分以上経っても改善しない場合、頓服の処方がある場合はその使用を検討する。処方がない場合はオンコールに相談する。

夜間の徘徊

施設内の徘徊であれば、安全を確認した上で見守る。無理に制止せず、しばらく歩いてから声をかけて居室への誘導を試みる。

外出しようとする場合は、穏やかに引き留める。関心をそらす声かけ(「お茶を一緒に飲みませんか」など)が有効な場合がある。

オンコール連絡時の伝え方

SBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)の形式で伝えると、正確かつ効率的に情報を共有できる。

S(状況):今何が起きているか。「Aさんが転倒して、右大腿部の痛みを訴えています」 B(背景):利用者の基本情報。「85歳女性、要介護3、アルツハイマー型認知症。骨粗鬆症の既往あり」 A(評価):自分の判断。「右大腿骨の骨折の可能性があると考えます」 R(提案):求めること。「救急搬送の判断をお願いします」

Anchorのオンコール代行サービスでは、看護師がこのような夜間の相談に24時間対応している。夜勤者が一人で判断を抱え込む必要がなく、専門職の支援を受けながら適切な対応を取ることができる。

お役立ち資料のご案内

認知症グループホームの運営に役立つ資料を無料でダウンロードいただけます。

  • 認知症GH向け精神科オンライン診療 導入ガイド
  • BPSD対応マニュアル テンプレート
  • 加算算定チェックリスト

資料請求はこちらから、お気軽にお問い合わせください。