この記事でわかること

  • 夜間の転倒が発生しやすい状況と原因
  • 環境整備による転倒予防の具体策
  • 離床センサーの活用方法と選定のポイント
  • 向精神薬と転倒リスクの関係

夜間転倒の実態

認知症GHにおける転倒事故の約4割は夜間に発生するとされている。夜間は日中と比較して職員数が少なく、発見の遅れにつながるリスクも高い。

夜間の転倒で最も多いのは、排尿のためにベッドから立ち上がり、トイレに移動する際の転倒である。覚醒が不十分な状態での歩行、暗い環境での視覚情報の不足、向精神薬による筋弛緩やふらつきが原因となる。

環境整備による予防

居室からトイレまでの動線にフットライトを設置する。照度は10~30ルクスが適切で、睡眠の妨げにならず、かつ移動に必要な視覚情報を確保できる。

床材は滑りにくい素材を選択する。靴下での移動は滑りやすいため、夜間は滑り止めつきの室内履きの使用を推奨する。

ベッドの高さを最低位に設定し、転落時のダメージを最小限にする。ベッドサイドにマットを敷くことも有効。

トイレまでの距離が遠い場合は、ポータブルトイレの使用を検討する。

離床センサーの活用

転倒リスクの高い利用者のベッドに離床センサーを設置し、起き上がりや離床を早期に察知する。夜勤者が他の利用者の対応中でも、アラートで離床を知ることができる。

センサーの種類として、マットレスの下に設置するベッドセンサー型、ベッドサイドのマットに設置するマットセンサー型、赤外線で検知するビーム型がある。利用者の動作パターンに応じて最適なタイプを選択する。

誤報を減らすためのセンサー感度の調整が重要。感度が高すぎると寝返りでも反応し、夜勤者の疲弊につながる。

向精神薬と転倒リスク

向精神薬(抗精神病薬、ベンゾジアゼピン系薬、抗うつ薬等)は転倒リスクを1.5~3倍に増大させるとされている。特に就寝前の服用後数時間は注意が必要。

転倒が頻発する利用者の薬剤を見直すことで、転倒頻度が減少するケースは少なくない。Anchorの精神科オンライン診療では、転倒リスクを考慮した向精神薬の処方調整を行っている。夜間の転倒データを精神科医に共有し、薬剤の見直しを検討することが、根本的な転倒予防につながる。

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