この記事でわかること

  • 認知症GHで算定可能な主要加算の一覧と概要
  • 各加算の単位数と年間収益へのインパクト
  • 算定漏れを防ぐためのチェックポイント
  • 加算取得の優先順位と体制整備の進め方

なぜ加算の取りこぼしが起きるのか

認知症グループホームの運営において、加算の算定は収益改善の重要な手段である。しかし、実際には「要件を満たしているのに届出をしていない」「制度改正で新設された加算を見落としている」といった算定漏れが少なくない。

その原因の多くは、日々の業務に追われて加算要件の確認に時間を割けないこと、制度改正の情報を十分にキャッチできていないこと、算定要件が複雑で理解に時間がかかることにある。

本記事では、認知症GHで算定可能な主要加算を一覧化し、自施設での算定状況を確認するためのチェックポイントを整理する。

主要加算の一覧

認知症専門ケア加算

加算I:3単位/日、加算II:4単位/日。認知症介護実践リーダー研修修了者の配置、認知症ケアカンファレンスの実施が主な要件。利用者全員に算定可能なため、収益インパクトが大きい。

医療連携体制加算

加算I:39単位/日、加算II:49単位/日、加算III:59単位/日。看護職員の配置、24時間連絡体制の確保が要件。加算IIIは看取り体制の整備が追加要件。

看取り介護加算

死亡日1,280単位、死亡日前日・前々日780単位/日、それ以前144単位/日。看取り指針の策定、研修の実施、家族への説明と同意が要件。

夜間支援等体制加算

加算I:50単位/日、加算II:25単位/日。夜間の増配置または見守り機器の導入が要件。

生活機能向上連携加算

加算I:100単位/月、加算II:200単位/月。理学療法士等との連携によるケア計画の作成が要件。オンラインでの連携も認められている。

サービス提供体制強化加算

加算I:22単位/日、加算II:18単位/日、加算III:6単位/日。職員の勤続年数や資格保有率が要件。長期勤続のスタッフが多い施設で算定しやすい。

口腔衛生管理体制加算

30単位/月。歯科衛生士による口腔ケアに関する助言を受けている体制が要件。協力歯科医療機関との連携で算定可能。

栄養管理体制加算

30単位/月。管理栄養士による栄養ケアの支援体制が要件。外部の管理栄養士との連携でも算定可能な場合がある。

科学的介護推進体制加算

40単位/月。LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用が要件。

収益シミュレーション

2ユニット18名のGHで、以下の加算をすべて算定した場合の年間収益増を概算する。

認知症専門ケア加算I(3単位 x 18名 x 365日 = 19,710単位)、医療連携体制加算I(39単位 x 18名 x 365日 = 256,230単位)、サービス提供体制強化加算III(6単位 x 18名 x 365日 = 39,420単位)。

これだけでも年間約315,360単位、金額にして約315万円の収益増となる。加算の取りこぼしがいかに大きな機会損失であるかがわかる。

算定漏れチェックのポイント

年度初めのチェック

毎年4月は報酬改定が行われることが多い。新設された加算、要件が変更された加算、廃止された加算を確認し、自施設の算定状況を見直す。

人事異動時のチェック

加算の要件に関わる職員(認知症介護実践リーダー研修修了者、看護職員など)が異動や退職した場合、加算の要件を引き続き満たしているか確認する。要件を満たさなくなった場合は速やかに届出の変更を行う。

半期ごとの定期チェック

年2回(4月と10月など)、全加算の算定要件の充足状況を一括で確認する時間を設ける。チェックリスト形式で確認項目を標準化しておくと、確認作業が効率化される。

加算取得の優先順位

体制整備のコストと加算収入のバランスを考慮した場合、以下の順序での取得が効率的である。

第1優先:医療連携体制加算。単位数が大きく、看護職員の確保が比較的しやすい地域であれば費用対効果が高い。

第2優先:認知症専門ケア加算。研修受講に時間はかかるが、追加の人件費は発生しない。全利用者に算定できるため投資対効果が良い。

第3優先:サービス提供体制強化加算。既存のスタッフの勤続年数や資格で算定できるため、追加コストなく取得できる場合がある。

第4優先:看取り介護加算。体制整備は必要だが、看取りの実績がある施設であれば速やかに算定可能。

加算取得と外部サービスの活用

加算の取得には体制整備が不可欠だが、すべてを自施設の人材だけで賄う必要はない。看護職員の確保が難しい場合は訪問看護ステーションとの連携、精神科医療の確保にはオンライン診療の活用など、外部サービスを組み合わせることで要件を満たす方法がある。

Anchorの精神科オンライン診療やオンコール代行サービスは、医療連携体制加算の算定に必要な体制の一部を担うことができる。加算の取得を検討する際には、外部サービスの活用も選択肢に含めて総合的に判断することをお勧めする。

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