この記事でわかること

  • 看取り介護加算I・IIの算定要件と単位数
  • 看取り指針の策定方法と必須記載事項
  • 家族への説明と同意取得のポイント
  • 看取り体制構築に向けたスタッフ教育の進め方

認知症GHにおける看取りの現状

認知症グループホームは、利用者にとって「生活の場」であり、最期の時を迎える場所としての役割も担っている。厚生労働省の調査によれば、GHで最期を迎えることを希望する利用者・家族は増加傾向にあり、看取り体制の整備は施設運営上の重要課題である。

看取り介護加算は、GHにおいて看取り体制を整備し、終末期のケアを適切に提供した場合に算定できる。2024年の報酬改定においても看取り介護の評価は維持・充実されており、体制整備を進める意義は大きい。

看取り介護加算の単位数

看取り介護加算Iの単位数は以下の通りである。

死亡日:1,280単位 死亡日前日・前々日:780単位/日 死亡日以前4日以上30日以下:144単位/日

看取り介護加算IIは、上記に加えて配置医師との緊急時の注意事項に係る事前の取り決めなどの体制が充実している場合に算定できる上位区分で、単位数がさらに高く設定されている。

算定要件

看取り指針の策定

施設として看取りに関する指針を策定していること。指針には以下の内容を含める必要がある。

看取りに対する施設の方針、終末期の医療・ケアに関する基本的な考え方、利用者への情報提供と意思確認の方法、看取りの際の医療・ケアの内容、看取り後の対応。

指針は文書として整備し、施設内で周知徹底する。

医師による説明と同意

医師が利用者の状態を評価し、回復の見込みがないと判断した場合、その旨を利用者または家族に説明し、看取り介護の開始について同意を得ること。

説明と同意は書面で行い、日時、説明内容、家族の意向、同意の有無を記録する。

多職種連携

医師、看護職員、介護職員等が共同して、利用者の状態に応じた看取り介護計画を策定すること。計画は利用者の状態変化に応じて随時見直す。

研修の実施

看取りに関する研修を年1回以上実施していること。全スタッフが参加できるよう、複数回に分けての開催が現実的である。

看取り指針の具体的な策定方法

看取り指針は、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を参考に策定する。

指針の冒頭には、施設として看取りに臨む基本姿勢を記載する。「利用者の尊厳を最期まで守り、穏やかな最期を支えることを使命とする」といった理念的な内容と、具体的な方針の両方を盛り込む。

意思確認のプロセスについては、利用者本人の意思を最大限尊重すること、意思確認が困難な場合は家族と十分に話し合うこと、意思は変更し得るものであり継続的に確認することを明記する。

家族への説明のポイント

看取りに関する家族への説明は、入居時と看取り期の2つの段階で行う。

入居時には、施設の看取りに関する方針を説明し、将来的に看取りの段階を迎えた際にどのような対応が可能かを伝える。この段階では、具体的な看取りの同意を取るのではなく、施設の方針を理解してもらうことが目的である。

看取り期に入った段階では、医師から病状と今後の見通しの説明を行い、看取り介護の具体的な内容を家族に伝える。家族の意向(施設での看取りを希望するか、病院での治療を希望するか)を丁寧に確認する。

家族の心理的負担は極めて大きい。説明の場は静かな個室で十分な時間を確保し、質問にはすべて丁寧に答える姿勢が求められる。

スタッフ教育の進め方

研修内容

看取りに関する研修では、以下の内容を取り上げる。

終末期の身体変化(バイタルサインの変化、食事量の低下、意識レベルの変化など)の観察方法。利用者の安楽を確保するためのケア技術(口腔ケア、体位変換、疼痛緩和)。家族への声かけと精神的サポートの方法。看取り後の対応(エンゼルケア、家族への連絡、行政手続き)。

デブリーフィングの実施

看取りを経験したスタッフに対しては、看取り後にデブリーフィング(振り返り)の場を設ける。スタッフ一人ひとりが感じたことを言葉にし、チームで共有する。

看取りに関わったスタッフの中には、「もっと何かできたのではないか」という思いを抱える方もいる。その思いを安全に表出できる場を設けることが、スタッフの離職防止にもつながる。

夜間の看取り体制

認知症GHでは夜間の職員配置が限られるため、夜間に看取りの段階を迎えた場合の対応手順を事前に定めておく必要がある。

夜勤者が行うべきこと(状態観察、家族への連絡、医師への報告)と、夜勤者では判断できない場合の連絡先(管理者、看護職員のオンコール先)を明確にしておく。

Anchorのオンコール代行サービスを活用すれば、夜間の医療的判断をサポートする体制を確保できる。看取り期の利用者の状態変化に対して、夜間であっても医療職の助言を受けられることは、夜勤者の安心感につながり、結果として質の高い看取りケアの提供が可能になる。

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