この記事でわかること

  • サービス提供体制強化加算I・II・IIIの算定要件の違い
  • 自施設の職員構成で算定可能な区分の確認方法
  • 算定に必要な書類と記録の整備方法
  • 人材定着と加算取得を両立させる施設運営のヒント

サービス提供体制強化加算の概要

サービス提供体制強化加算は、介護サービスの質に直結する人材の質と定着率を評価する加算である。追加の設備投資や外部サービスの導入が不要で、既存の職員体制で算定できる場合が多いため、費用対効果の高い加算の一つである。

認知症GHでは、利用者全員分を算定できるため、施設規模に対する収益インパクトが大きい。2ユニット18名のGHで加算I(22単位/日)を算定した場合、年間約144万円の収益増となる。

加算Iの算定要件

加算I(22単位/日)は以下のいずれかを満たす必要がある。

介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が70%以上であること。あるいは、介護職員の総数のうち、勤続10年以上の介護福祉士の占める割合が25%以上であること。

いずれも常勤換算で算出する。

加算IIの算定要件

加算II(18単位/日)の要件は、介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が60%以上であることである。

加算IIIの算定要件

加算III(6単位/日)の要件は以下のいずれかを満たすことである。

介護職員の総数のうち、介護福祉士の占める割合が50%以上であること。あるいは、常勤職員の占める割合が75%以上であること。あるいは、利用者に直接サービスを提供する職員の総数のうち、勤続7年以上の者の占める割合が30%以上であること。

自施設の算定可能区分を確認する

ステップ1:職員一覧の作成

直接介護に従事する職員全員の氏名、雇用形態(常勤・非常勤)、週当たりの勤務時間、保有資格、入社日(勤続年数)を一覧にまとめる。

ステップ2:常勤換算の算出

各職員の週当たりの勤務時間を、施設の常勤の勤務時間で割って常勤換算数を算出する。例えば、常勤の週勤務時間が40時間で、週20時間勤務のパート職員は0.5となる。

ステップ3:介護福祉士割合の算出

常勤換算した介護福祉士の合計数を、常勤換算した介護職員の合計数で割り、割合を算出する。

ステップ4:該当区分の確認

算出した割合を各加算区分の要件と照らし合わせ、算定可能な最上位の区分を確認する。

算定に必要な書類

加算の届出に際しては、介護給付費算定に係る体制等に関する届出書に加え、職員の資格証の写し、勤務形態一覧表、常勤換算の計算根拠を添付する。

資格証は原本確認が求められることがあるため、コピーを取る際に管理者が原本と照合した旨を記載しておくと良い。

実地指導の際には、届出時点だけでなく算定期間中も要件を継続的に満たしていたかが確認される。職員の入退社があった場合の常勤換算の再計算と記録の更新が重要である。

人材定着と加算取得の好循環

サービス提供体制強化加算の取得は、人材定着の結果であると同時に、人材定着を促進する要因にもなり得る。

加算取得による収益増を、職員の処遇改善(給与アップ、福利厚生の充実)に還元することで、さらなる人材定着につながる。これは好循環のサイクルである。

また、加算取得に必要な介護福祉士の資格取得を施設として支援する(受験対策研修の実施、受験費用の補助など)ことで、職員のキャリア形成を支援しながら加算要件の充足を図ることができる。

職員が長く働き続けられる環境づくりは、認知症ケアの質にも直結する。認知症の利用者にとって、なじみのスタッフが継続的にケアを提供してくれることの安心感は大きい。人材定着は加算取得のための手段ではなく、ケアの質向上の根幹である。

Anchorのサービスを活用して医療連携体制を充実させることも、スタッフの働きやすさに寄与する。夜間のオンコール対応や精神科医への相談体制が整っていることで、スタッフの心理的負担が軽減され、結果として離職率の低下につながる事例も報告されている。

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