この記事でわかること
- 一本化された処遇改善加算の構造と加算率
- 認知症GHでの加算率計算の具体例
- 職場環境等要件の充足方法
- 賃金改善計画書の策定手順と提出スケジュール
処遇改善加算一本化の経緯
2024年6月の報酬改定により、これまで3種類に分かれていた処遇改善関連加算(介護職員処遇改善加算、介護職員等特定処遇改善加算、介護職員等ベースアップ等支援加算)が「介護職員等処遇改善加算」として一本化された。
一本化の目的は、制度の複雑さを解消し、事業所の事務負担を軽減するとともに、介護職員の処遇改善をより確実に進めることにある。
2026年現在、経過措置期間を経て完全に新制度へ移行しており、認知症GHの運営においてもこの新制度に対応する必要がある。
新加算の構造
一本化後の処遇改善加算は4段階(I~IV)で構成される。加算率は介護サービスの種類ごとに異なり、認知症対応型共同生活介護(認知症GH)の場合は以下の通りである。
加算I:24.5%、加算II:22.4%、加算III:18.2%、加算IV:14.4%
この加算率は、介護報酬総額(基本報酬 + 各種加算の合計)に対するパーセンテージである。
各区分の要件
加算Iの要件
月額賃金改善要件として、基本給または毎月支払われる手当の引上げにより、一定額以上の賃金改善を行っていること。
職場環境等要件として、以下の6つの区分からそれぞれ2つ以上(計12以上)の取り組みを実施していること。入職促進に向けた取り組み、資質の向上やキャリアアップに向けた取り組み、両立支援・多様な働き方の推進、腰痛を含む心身の健康管理、生産性向上のための業務改善の取り組み、やりがい・働きがいの醸成。
加えて、見える化要件として、賃金改善の取り組み内容をホームページ等で公表していること。
加算II~IVの要件
加算IIは職場環境等要件のうち各区分から1つ以上(計6以上)の取り組みが必要。加算IIIは計4以上、加算IVは計2以上と、段階的に要件が緩和される。
賃金改善計画の策定
基本的な考え方
加算で得た収入は、すべて職員の賃金改善に充てる必要がある。加算収入の見込額を算出し、どの職員にどのように配分するかを計画する。
介護職員への配分を優先しつつ、施設の判断で他の職種にも配分できる。ただし、経験や技能に応じた配分(経験・技能のある介護職員に手厚く配分)が求められる。
計画書の作成手順
まず、前年度の介護報酬実績から加算収入の見込額を算出する。次に、配分先となる職員とその配分方法(基本給の引上げ、手当の新設、賞与の増額など)を決定する。配分後の各職員の賃金水準が、加算取得前と比較して改善されていることを確認する。
計画書には、賃金改善の対象職員、改善の方法、改善額の見込みを記載する。
提出スケジュール
年度開始前(通常は2月中)に賃金改善計画書を都道府県に提出する。年度終了後には実績報告書を提出し、計画通りに賃金改善が行われたことを報告する。
認知症GHでの具体的な算出例
月額の介護報酬総額が1,000万円のGHで加算I(24.5%)を算定した場合、月額の加算収入は245万円となる。年間では2,940万円である。
この金額をすべて職員の賃金改善に充てるため、職員数と配分方法によっては1人当たり月額数万円以上の賃金改善が可能となる。
職場環境の改善とサービスの質
処遇改善加算の取得は、単なる事務手続きではない。職場環境等要件を満たすための取り組みは、結果として施設全体のサービスの質向上につながる。
腰痛予防のための介護機器の導入、研修体制の充実、多様な働き方の推進などは、職員の定着率向上に直結する。職員が安心して働ける環境は、認知症の利用者にとっても安定したケアの提供を意味する。
Anchorのオンコール代行サービスの導入は、職場環境等要件の「心身の健康管理」に資する取り組みの一つとして位置づけることもできる。夜間のオンコール負担を軽減することで、スタッフの心身の健康を守り、処遇改善加算の要件充足にもつながる。
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