この記事でわかること

  • 夜間支援等体制加算I・IIの算定要件と単位数
  • 夜間の職員配置基準と現実的な体制設計
  • 見守り機器の種類と導入のポイント
  • オンコール体制との組み合わせ方

夜間体制の課題

認知症グループホームの夜間は、1ユニットにつき1名の夜勤者で対応するのが一般的である。2ユニットの施設であっても夜勤者は2名、場合によっては1名で対応しているケースもある。

認知症の利用者は夜間にBPSDが出現することがあり、転倒や転落のリスクも高い。限られた夜勤者で安全を確保するための体制づくりは、認知症GHの運営上の重要課題である。

夜間支援等体制加算は、夜間の安全体制を強化した施設を評価する仕組みであり、体制整備のインセンティブとなっている。

加算Iの算定要件

夜間支援等体制加算I(50単位/日)の要件は、夜間の時間帯(22時~翌6時を基本)において、人員配置基準を超える夜勤職員を配置していることである。

例えば、2ユニットのGHで配置基準上の夜勤者が2名のところ、3名以上を配置している場合に算定可能となる。

追加の夜勤者は、直接の介護業務に従事する者であること。管理宿直者やオンコール待機者はこの人数に含まれない。

加算IIの算定要件

夜間支援等体制加算II(25単位/日)は、見守り機器の活用による夜間の安全体制確保を評価するものである。

すべての利用者に対して見守り機器を導入していること、夜間の安全確保のための体制(緊急時の連絡体制を含む)が整備されていることが要件となる。

見守り機器の導入により、夜勤者が直接目視で確認できない時間帯でも、利用者の状態変化を察知できる体制を構築する。

見守り機器の種類と選定

ベッドセンサー

マットレスの下に設置するタイプのセンサーで、利用者の離床や体動を検知する。起き上がり、端座位、離床の各段階でアラートを出す機能を持つ製品が多い。

バイタルサイン(心拍数、呼吸数)を非接触で測定できるベッドセンサーも普及しており、夜間の状態変化の早期発見に役立つ。

人感センサー

居室の出入口やトイレ前に設置し、利用者の移動を検知する。徘徊のある利用者の動きを把握するのに有効である。

カメラ型見守り機器

赤外線カメラにより、暗所でも利用者の様子を確認できる。プライバシーへの配慮から、シルエット表示のみ対応するなどの機能を持つ製品がある。導入に際しては利用者・家族への説明と同意が必要である。

選定のポイント

見守り機器の選定では、誤報率の低さ、操作の簡便さ、既存のナースコールシステムとの連携可否を重視する。誤報が多いとスタッフが疲弊し、本当のアラートへの対応が遅れる原因になる。

夜間体制の設計

シフトの組み方

夜勤者の体力と集中力を維持するために、夜勤の連続回数は月8回以内が望ましい。2交代制の場合、夜勤(16時間勤務)の翌日は必ず休みを確保する。

加算Iの算定のために夜勤者を増配置する場合は、人件費の増加と加算収入のバランスを事前にシミュレーションする。

巡回と記録

夜間の巡回は2時間ごとを基本とし、巡回時の利用者の状態(睡眠中、覚醒、トイレ移動中など)を記録する。見守り機器のアラート履歴と合わせて記録を整備しておくことが、加算の実地指導対策としても重要である。

オンコール体制との連携

夜間の安全体制は、施設内の人員配置だけでは完結しない。利用者の体調変化や急変時には、看護職員や医師への連絡体制が不可欠である。

夜勤者が判断に迷う場面(バイタルサインの異常値、BPSD悪化、転倒後の対応など)で、速やかに医療職の助言を得られる体制を整備しておくことで、夜間の安全性は飛躍的に向上する。

Anchorのオンコール代行サービスでは、夜間の医療的判断をサポートする体制を提供している。看護師や医師が電話で状態を聞き取り、経過観察で良いのか、救急搬送が必要なのかを判断する。夜勤者が一人で判断を抱え込まなくて済む仕組みは、スタッフの離職防止にもつながる。

見守り機器とオンコール体制を組み合わせることで、少人数の夜勤体制であっても、安全で質の高い夜間ケアを提供できる。加算の算定と安全体制の実質的な強化を同時に実現するアプローチとして検討いただきたい。

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